QUICK短観 日中関係の緊張、収益環境に「ほとんど影響なし」7割、来年の日経平均の高値予想平均は5万4600円【12月調査】

12月の「QUICK短期経済観測調査(QUICK短観)」(調査期間:11月25日~12月4日)では、上場企業に日中関係の緊張が自社の収益環境にどう影響するかや、2026年の日経平均株価とドル円相場の高値・安値予想について聞きました。

 

高市早苗首相の台湾有事を巡る発言をきっかけに、日本と中国との緊張が急速に高まっています。中国政府が自国民に対し日本への渡航を控えるよう呼びかけるなど経済的威圧を強めるなか、一連の措置が自社の収益環境にどのような影響を与えるかを聞きました。

 

結果は回答企業(全産業)の67%が「ほとんど影響なし」を選びました。業種別にみると影響なしの比率が高かったのは非製造業で75%。一方、製造業は影響なしの比率が53%にとどまり、「大いに悪影響」「やや悪影響」の回答が合計43%に達しました。製造業は取引先や製造拠点が中国にあることも多く、中国政府の対応に神経をとがらせているようです。小売業なども中国からの旅行者が減れば業績の痛手になる恐れがありますが、今回は非製造業全体でみると比較的冷静な反応でした。

 

自由記述のコメントでは、「(中国人の)渡航自粛や(日本の歌手らの)公演中止などの経済的利益の喪失をもって高市首相を批判する声もあるが、目の前の利益にとらわれすぎると、今後の日本の外交を考えた場合、国益を失う可能性もある」といった意見もみられました。

 

 

株高・円安が話題となった2025年も残りわずかとなりました。26年の日経平均株価とドル円相場それぞれの年間の最高値、最安値の予想を聞きました。

 

日経平均の高値の予想を単純平均すると5万4614円、安値の平均は4万1728円となりました。25年10月31日に付けた現時点での過去最高値(5万2411円)からの上値余地は2200円ほどと企業はみています。一方、ドル円相場が最も円高になる水準の予想平均は1ドル=140円37銭、最も円安になる水準の予想平均が160円75銭でした。調査期間中の円相場は155~157円程度で推移していました。企業は来年は円安よりも円高に振れる可能性が高いと考えているようです。

 

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掲載日:2025年12月12日

 

 

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